The Journey He Takes 気まぐれな道のり

電車が時間通りに来ること、荷物が指定通りに届くこと。いつ行っても、お店には沢山の商品があることー。

それが当たり前。確実であることが、当たり前。

都会で生活をしていると、そんな風に感じるもの。


それが、自然相手に向き合い始めると、確実なものなど何もないこと、あるとすれば「今」という瞬間だけが確実である、ということに気がつきます。普段の生活の中の「確実性」が、なんて特別で奇跡的なことであるかに気がつきます。


エピエリのオーナー・松浦は、自宅のある葉山からお店のある東京まで、日々そんな気まぐれな自然の在り方に向き合いながら、食材を仕入れて回ります。

まるで作物を育てるときの様に、何度ものトライ&エラーを経験するー。そのなかで、ようやくいい販売所に巡り会い、農家や養鶏所の方と少しずつ関係を築いていきます。

今日は、野菜の次に養鶏場に寄って卵を仕入れます。そうそう、ここで育てられている旬のアーティチョークをいくつか買っていくことも忘れずに。

とはいえ、アーティチョークは軒先に並んではいません。

必要な分を、必要なときにとりにいきます。

おばさんの後を追って。

農薬は必要ないと言います。アーティチョークの花をもとめて、アブラムシがやってくる。それをアリがたべる。そのアリを食べて生きる虫がいる。その虫を食べるミミズがいる。そのミミズが畑を肥沃にしていく。その土でアーティチョークが育つ。こうやって、どんどんつながっていく。そうして世界はできてゆきます。

「さっと茹でて、バーニャカウダにしてもおいしいよ。うちではシンプルにマヨネーズをつけて食べるね。」

そんな会話をしながら、食べごろのアーティチョークを探します。

「これは、まだ少し固い。もう少し明日まで待ってみよう。」

でも、きっとそのアーティチョークも、必ずしも明日食べられるとは限りません。嵐がやってくるかもしれない、動物が先に見つけるかもしれません。

けれども、その予期できない姿こそが「自然」の姿。だからこそ、その恵みを受け取ることが出来たとき、感謝のきもちが沸き上がります。

今日はこれだけ、採りました。必要な分は、そんなに多くはないことに気がつきます。

「これ、イタリアンパセリ、沢山あるから貰っていって。」

帰り際、養鶏場のおばさんから思わぬギフトを受け取りました。こんな形の「予期せぬ出来事」もあります。

キャベツ畑の風を頬にうけ、さあ、次は魚を買いに。

 

つづく。

epi etriz