Same But Different 同じで違う道

いよいよ寒くなってきた—。人がそう感じ始めるころ、自然というものは、きちんとその寒さから身を守るものをくれるものです。

人参にカブ、白菜、大根、レンコン・・野菜はその甘みと味をぐっと増し、お魚には美味しい脂がのる、それが冬です。

エピエリのお店のお皿の上にも、冬の食材がのぼる季節になりました。

春夏秋、そして冬。毎日三浦半島にて仕入れを行うエピエリのオーナー・松浦。

毎日農家や漁師さんのもとへ足を運ぶなかで、季節の移り変わりを感じます。旬の儚さを知るからこそ旬にこだわり、旬の食材にしか出せない美味しさを味わってもらいたい一心で、毎朝車を走らせます。

今朝もいつものおばさんのもとで、無農薬野菜の仕入れから。空っぽのバスケット、今日はどんな冬野菜でいっぱいになるでしょうか。

野菜には、1年に約2回の旬があります。日々農家さんに足を運ぶことで、同じ野菜でも季節によって全く表情が違うことに気がつきます。調理法も、当然季節によって少しずつ変わるもの。

さてと。

真っ黒なのは、黒大根。

オレンジ色なのは、ゴールデンビーツ。

今朝は珍しい色にたくさん出会えました。

野菜の次は、お魚です。

冷たい氷水の中から、特に美味しそうなサゴチを選びます。これからの季節、辛いところ。

でも、本当にいいものはやはり自分の手で掴むしかないのです。

20匹、いえ、今日はもっと頂きました。

キッチンのシェフたちがうまく捌いて、一番美味しくしてくれるはず—。

その日その日で変わる食材。それらをキッチンへと届けた後、エピエリのシェフはジャズのインプロビゼーション(即興)のようにメニューを考え調理をします。 日々の経験を重ね、自然に対する創造力を養うことで、シェフたちはそれを可能にします。

冷たさで痺れる手で、次は力仕事。「新鮮なうちに、早く東京まで!」

「今日のサゴチ、立派でしたね」

馴染みの漁師のおじさんと、ちょっと立ち話。

次は、シラスを求めて、いつものあの場所へ。

ちょうど茹で上げの真っ最中。

「ちょっとつまんでごらん。」

「明日から南の温かい風が流れ込んでくるよ。」帰り際、シラス漁のおじさんはそう教えてくれました。日々海に向かう彼らにとって、波や風の変化がどんな予報よりも正確なのです。

あともう少しだけ野菜を買いに、ちょっと外れの販売所へ。ぐんぐん育つ鮮やかなスイスチャードが目印の場所。

ここでは赤かぶを。そして最後にもう一件、別の販売所へ。おいしい食材を求めて、どこまでも。

寒くなると、キャベツには再び旬の季節がやってきます。

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春から初夏にかけて、毎日走ったキャベツの道。これから寒くなると、人間と同じように身を縮めるのでしょうか、あの頃よりも巻きがしっかりとしたキャベツが肩を寄せ合う姿が見られるはずです。

これからも毎日同じ道を、でも毎日違う道を走ります。

仕入れの道とは、変化とともに在るのです。

epi etriz