変化と共に Summer 2015 at the Tsuda Farm

 

暑かった、今年の夏。それは、SUKE6 DINERにとって初めての夏でもありました。

一昨年、去年、今年。人々との有意義な関わりが、コミュニティーが、毎年静かに、少しずつ大きくなっていくー。

そこにはやはり、人と人、人と世界、そして人と自然がうまく共生し、学び合う姿があります。成長、進化とは、変化を受けいれ、その中で今を創造していくことなのでしょうか。

山梨県、清里高原。エピエリの自社有機農園・津田ファームがある場所です。

この畑もたった一粒の種からはじまり、人と農作物が共に大きくなってきました。

おなじみの大きなズッキーニ、インゲン豆、味の濃いビーツ、ラディッシュ、ルッコラ、トマト、茄子、コルニッションやガーキン、そして甘いとうもろこし。年ごとに少しずつ増えていく野菜の種類、今年もいくつかの「はじめまして」がありました。

今年で、もう7年目となる津田ファーム。毎日朝の4時から農園に出かけ畑を管理するのは、健さんです。

 

冬は深い雪に閉ざされてしまう清里の高原は、冬は深い雪に閉ざされてしまいます。

畑の活動期間は、種まきのある6月から10月の終わりまでの約5ヶ月。長く厳しい冬を越えて準備ができたところで、毎年自然は健さんに農園の扉を開くのです。

太陽以上に眩しい向日葵の黄色、一生懸命鳴く虫たちの声、時に吹き抜ける風の音。その中で、静かに輝くツヤツヤの野菜。地面を掘れば顔を出す、鮮やかな色の根菜の数々。

夏の農園は、まるで小さな宝石箱のようです。

朝露のみの水やりで育つ津田ファームの野菜たち。

自然の恵みを無駄なく頂き、それ以上を求めることなく、その中で生きようとするこの農園の野菜の姿は謙虚です。

まだ朝露の残る時間に収穫した野菜はいつまでも元気だと、健さんは言います。獲れたハーブや野菜は山から流れる小さな川の水で洗い、そこから宅急便でお店に送られます。

自然が与えてくれる力。それを知り、自然の力を生かす。良い野菜作りとは、人と自然のお互いが精を尽くす共同作品であると、いつもお店に届く生き生きとした野菜たちは教えてくれます。

今年は農園の作業メンバーに、かわいらしい羊たちも加わりました。好物はクローバーとトウモロコシのヒゲ。向日葵のそばの木陰がお気に入りのようです。

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去年と今年。昨日と今日。

農園は、変化という当たり前で気がつきにくい美しさに溢れています。

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高く昇った太陽が正午を教えてくれました。

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午前の収穫を終えて、ひと休み。

たくさんのインゲン豆は、エピエリのお店の夏の風物詩。収穫が追いつかないほど穫れるインゲンの使い道に、当初は頭を悩ませたものでした。

ランチプレートの付け合せに、ステーキの付け合せに、ニソワーズサラダのトッピングに・・。さやの中で乾燥させた豆は、うずら豆となりChili Parlor 9のチリビーンズへ。今では、たくさんのアイディアが各お店の夏〜秋のキッチンを賑わせるようになりました。素材と愛情、そして想像力を結びつけること、それがエピエリのシェフの仕事です。

午後は、健さんの友人・勝田さんの畑へ。

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紫花豆の艶やかなピンク色は、小さな紅色の花が豆に託した美しい証だと知りました。

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あっという間にやってくる11月のサンクス・ギビングや12月のクリスマスには、この勝田さんのこの花豆がベークドビーンズとなり、麹町カフェのホリデーシーズンを美味しく彩ってくれることでしょう。

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気がつけばしっかり働いた羊たちも、木陰でシエスタを。

そろそろ今日も、トラックに収穫した野菜を積み込む時間です。野菜は、都内のエピエリのお店へと届けられます。

隅田川のそばで、今年初めての夏を迎えたSUKE6 DINER

日々、3階では酵母をおこしては沢山のパンを焼き、1階のキッチンではハムにソーセージ、ベーコンを作ります。

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津田ファームから届いた野菜は、真新しいキッチンで、そんな自家製食材の仲間と初めて顔を合わせました。

清里高原が与えてくれた色、香り、そして豊かな味わいがシェフのインスピレーションとなり、次は他の食材やスパイス、ハーブとともに、新たな色、新たな香り、そして誰かの舌に語りかける滋味を得て、テーブルへと運ばれてゆくのです。

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雪解け水や朝露の与えてくれる水々しさ、照りつける太陽が育てる濃く甘い味、そして健さんの手のぬくもりがまだフレッシュなうちに、どうぞ召し上がれ。

今年も、とてもおいしい夏でした。

 
epi etriz